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愛語よく回天の力あり

こんにちは、ジェスリードの滝口祐幸です。

「名言でマインドチャージ」のブログを開いていただきまして、ありがとうございます。

このブログは、「名言でマインドチャージ」ということで、世界のことわざや名言によって、目標に向かって進むために必要なパワーマインドを充電することが目的です。

 

今回、テーマにする名言は、「愛語よく回天の力あり」です。

これは、道元禅師という禅宗の名僧の言葉です。

 

この名言の意味ですが、直訳すると、「愛語には、天をも動かす力がある」という意味になります。

ところで「愛語」とは、どんな言葉でしょうか?

あまり日常会話では出てきませんね。

ずばり、「愛語」とは、「愛のある言葉」、つまり相手を幸せにする「思いやりのある言葉」のことです。

つまり道元禅師は、「思いやりのある言葉には、天をも動かす力がある」と言っているわけです。

 

この道元禅師の名言を、現代に生きる私たちの生活に役立つ形にすると、次のようなに表現できると思います。

「思いやりのある言葉には、運命を好転させる力がある」

 

私自身、思いやりの言葉に関して、次のような経験があります。

それは、私が教材の販売会社に就職して、3カ月が過ぎたころの話です。

私が24歳の時に、初めて就職した会社は、幼児教材を1件1件、家庭を訪問して販売する訪問販売の会社でした。

教材の訪問販売は、営業の中でも最も厳しいと言われる仕事です。

そういうこともあって、私はうまく売れないことに悩み、会社を休みがちになりました。

 

その日も風邪をひいたと、会社に嘘の電話をして、アパートの自分の部屋で寝ていました。

ちょうど午前11時ごろ、玄関のチャイムが鳴ります。

誰だろうと思って、玄関のドアを開けると、そこに立っていたのは、何と私の上司である支店長ではありませんか。

 

「わっ、まずい!嘘がバレた!クビになる!」と、咄嗟に思い、私の顔は硬直します。

しかし、支店長の言葉は違っていました。

「大丈夫か、滝口、心配したぞ。風邪にはビタミンが大事、みかんを置いていくから。会社のことは心配しないで、風邪をしっかり治してから出社しなさい」

支店長は、穏やかな顔でそう言って、玄関の中に入ることなく、沢山のみかんを置いて、サッーと帰りました。

支店長は、私の顔を見て、私のずる休みに気づいたはずです。

ただ支店長は、私のために、だまされたふりをして、みかんを置いていってくれたのだと思います。

私は、その後、みかんを食べながら、その支店長に思いやりに感動し、次のような決意をしました。

「支店長のためにも、絶対負けない!」

 

それから私は、営業トークを徹底的に勉強し、そして現場では、どんなに厳しい断わりの滅多撃ちに遭おうとも、ひるむことなく、落ち込むことなく、ずる休みをした時の支店長のやさしい言葉を思い出し、頑張り続けました。

 

その甲斐もあり、その半年後に、支店の中で売上げトップとなり、トップセールスマンの仲間入りを果たすことができたのです。

それを皮切りに、営業という仕事にどんどん魅せられ、その後、営業の研究に35年、没頭することになるわけです。

そして最終的には、自分の目標であった「売上げを上げると共に、営業マンの人格を向上できる新しいセールス法」を確立することができ、その新しいセールス法を、一冊の本として世に出すことができたのです。

 

私の人生を振り返ると、ずる休みをした時の支店長のやさしい愛語がなかったら、全く違った人生になっていたと思います。

まさに、「愛語よく回天の力あり」です。

 

相手のためを思う「思いやりの言葉」=「愛語」は、相手の人生を大きく好転させる力を持っています。

日常生活の中で、何を話すかは、自由です。

私たちには、言葉を自由に選ぶ選択権が与えられています。

どうせ話すのであれば、相手を不幸にする言葉ではなく、相手を幸せにする愛語を話した方がいいですよね。

 

ぜひ、みなさんも、人と話す時、「思いやりのある言葉」=「愛語」を心がけてみて下さい。

あなたの周りが明るくなると同時に、きっとあなた自身も明るく楽しくなること、請け合いです。

 

【今回の名言】

愛語よく回天の力あり

 

【今回の教訓】

人と話す時に、常に思いやりのある言葉を心がける。

その愛語は、相手を幸せにすると共に、自分をも幸せにする。