こんにちは、ジェスリードの滝口祐幸です。
「名言でマインドチャージ」のブログを開いていただきまして、ありがとうございます。
このブログは、「名言でマインドチャージ」ということで、世界のことわざや名言によって、目標に向かって進むために必要なパワーマインドを充電することが目的です。
今回、テーマにする名言は、「怒りは敵と思え」です。
これは天下を統一し、徳川幕府を作りあげた徳川家康の有名な名言です。
徳川幕府と言えば、日本の国を260年もの長きにわたり統治した幕府ですが、その基盤を築いたのは、はやり家康の人生哲学であったと言えるでしょう。
仏教においても、この「怒りの心」を「煩悩(ぼんのう)」と言って、悟りという仏教の最終目標に向かう時の最大の障害としています。
特に煩悩の中でも、「怒りの心」と「自己中心的な欲」と「間違った考え」を「三毒(さんどく)」と表現して、最も注意すべき煩悩としています。
仏教で、「怒りの心」を、「三毒」、つまり「3つの毒」と表現していますが、まさに、その通りで、怒りの心で相手に暴言を吐いたり、相手を傷つける行為をすると、もちろん相手にイヤな思いをさせるわけですが、その怒りの行為そのものが、自分自身をも害することになるのです。
まさに「怒る」ということは、自分で毒を飲むようなものなのです。
皆さんも、思わず怒りの心がこみ上げてきて、その怒りの心のままに、相手に怒りの言葉をぶつけた後に、イヤーな気分になって、その後、最悪な一日を過ごしたという経験が、一度か二度はあるのはないでしょうか?
実際、「怒りやすい人の方が、心臓発作や脳卒中のリスクが高い」という調査結果が、医学界で出ていますし、「怒りの心」は、自分の精神にとって毒になるだけでなく、肉体にとっても毒になるということが言えるようです。
それでは、その「怒りの心」を、どうしたら無くすことができるのでしょうか?
確かに家康が言うように、「怒りの心は、人生最大の敵」と言えます。
また仏教が言う通り、「怒りの心は、自分を苦しめる毒」とも言えます。
しかし難しいのは、その「怒りの心」は、無くそうとしても、無くせない心ということなのです。
そもそも「怒りの心」が、どうして生じるかですが、それは、私たちの中にある自己防衛の本能から生じるものなのです。
20万年前に人間が誕生して以来、危険極まりないジャングルの中で、人間が今日まで生き延びることができたのは、まさに、この自己防衛の本能のお陰と言えます。
原始時代、私たちの祖先は、自分たちに害を与える猛獣が近づくと、咄嗟に怒りの心が生じ、自分が勝てる相手と思った時は闘い、とても敵わないと思った時は、素早く逃げるという行為を繰り返してきました。
その自分の身を守る「自己防衛の本能」が、私たちの脳に中にあるのです。
ですから今も、自分を害する人と、相手を認識した瞬間に、自己防衛の本能が働き、「怒りの心」が生じるわけです。
そういう理由で、「怒りの心」は、自己防衛の本能ですから、どんなに厳しい修行をしたとしても、無くすことができないのです。
それでは、私たちにとって毒になる「怒りの心」を、どうしたらよいのでしょうか?
仏教では、この「怒りの心」と闘わないようにすることを勧めています。
「怒りの心を退治する」とか、「怒りの心をなくす」とか、心の中に生じる「怒りの心」を無理に抑え込もうとしないことを勧めているのです。
「怒りの心」は、自己防衛の本能ですから、抑え込もうとすると、無くならないどころか、ますます強くなってしまうのです。
そういうことで仏教では、「怒りの心」が生じた時に、「これは、自己防衛の本能から生じる当然の感情である」と、その「怒りの心」を理解し認めることを勧めています。
それに合わせて、その「怒りの心」に突き動かされて、暴言を吐いたり、乱暴な行動を取らないように注意することを勧めているのです。
つまり、「怒りの心」を無理に無くそうとはしないけれど、その「怒りの心」のままに、暴言を吐いたり、乱暴な行動を取らないように注意するわけです。
そして、もう1つ実践すると効果的なのは、「怒りの心」が生じた時に、まずその「怒りの心」が生じたことを認めて、無理に無くそうとせず、その後、深く息を吸って、少し息を止めてから、心の中で、「1,2,3,4,5,6,7」と数をゆっくり数えながら、ゆっくり口から息を吐き切るという呼吸法です。
これを「クールダウン呼吸法」と言いますが、これを2,3回やりますと、大概、怒りの心が治まるはずです。
読者の皆さん、ぜひ「怒りの心」が生じた時は、この「クールダウン呼吸法」を実践してみて下さい。
【今回の名言】
怒りは敵と思え
【今回の教訓】
怒りの心を無理に無くそうとするのではなく、怒りの心のままに暴言を吐いたり、乱暴な行動を取らないように注意する。