己の欲せざる所は人に施すことなかれ

こんにちは、ジェスリードの滝口祐幸です。

「名言でマインドチャージ」のブログを開いていただきまして、ありがとうございます。

このブログは、「名言でマインドチャージ」ということで、世界のことわざや名言によって、目標に向かって進むために必要なパワーマインドを充電することが目的です。

 

今回、テーマにする名言は、「己の欲せざる所は 人に施すことなかれ」です。

これは、論語に出てくる言葉で、孔子が、弟子の子貢(しこう)の問いに答えた内容です。

「自分が、して欲しくないことは、人にするべきではない」ということです。

中国の儒教の始祖である孔子は、これこそ「思いやりの心」の原点であると言います。

 

同じような内容が、キリスト教の聖書の中にもあります。

聖書には、次のような言葉で説かれています。

「己の欲するところを、人に施せ」 (マタイによる福音書七章十二節)

 

最近のニュースを見ていると、「己の欲するところを、人に施せ」の逆をやっている人が多いことに、驚きます。

つまり「己の欲せざるところを、人に施し、己の欲するところは、人に施さない」、そういう生き方の人が、多いように思います。

 

なぜ、そのような論語や聖書で勧める生き方と、全く逆の生き方をする人が増えているのでしょうか?

 

行き過ぎた成果主義のせいではないかと、私は思っています。

私たちは、小学校のころから、成績を問われる世界に、身を置くことになります。

成績が良い子は優秀で、成績が悪い子は問題のある子という見方をされます。

そして受験の時は、合格した人は勝ち組で、合格しなかった人は、あたかも人生の負け組のような扱いを受けます。

さらに就職活動をする時は、条件の良い会社に入社できた人は、人生の成功者で、なかなか就職できない人は、劣った人のように思われがちです。

 

そのように、現代人は小さいころから、結果で評価される成果主義の世界で生きてきたために、まず兎に角、良い結果を出すことだけにとらわれがちです。

 

論語にしても、聖書にしても、人間として最も大事なものは、「己に欲せざる所を、人に施さない思いやりの心」と力説していますが、この「思いやりの心」は、目に見えないものですので、成果主義の世界では、評価されません。

 

ですから、成果主義の世界で生きている現代人は、「思いやりの心を育てる」ことよりも、「成果を出すために、学力を高める」ことや、「成果を出すための能力を高める」ことを優先させるわけです。

だから、どうしても「己の欲せざるところを、人に施し、己の欲するところは、人に施さない」の生き方になってしまうのだろうと思います。

 

ただ、多くの人の人生を調べてみると、幸せな人生の土台になっているものは、優秀な学力でもなければ、卓越した能力でもないと確信します。

優秀な学力も卓越した能力もないけれど、人生の晩年に、思いやりに満ちた家族に囲まれ、あるいは、思いやりに満ちた仲間たちに囲まれ、心豊かなに生活している人たちが、沢山います。

そういう人たちは、ゆったりとした穏やかな顔で、毎日を過ごしており、幸せそうです。

 

私も還暦を過ぎて、周りの人たちを見渡してみると、論語や聖書が勧めるような「己の欲せざる所は人に施すことなかれ」を実践した生き方の方が、長い人生を考えた時に、幸せにつながると確信しています。

 

もちろん成果を出す生き方を否定するわけではありません。

要は、バランスの問題だと思います。

一番理想なのは、「成果を出すための生き方」「思いやりを大事にする生き方」の両輪を回すことと言えるでしょう。

 

 

【今回の名言】

己の欲せざる所は 人に施すことなかれ

 

【今回の教訓】

成果を出すための最善を尽くしながら「己の欲せざる所は人に施すことなかれ」を実践する

「成果を出すための生き方」と「思いやりを大事にする生き方」の両輪を上手に回しましょう!